登場人物がヤンデレと聞いて買ってみました。
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「春琴抄」(しゅんきんしょう)
女芸術家の春琴と、それに仕える佐助の関係を書いた耽美小説。
作者は「痴人の愛」など著した谷崎潤一郎。
以下ネタバレ感想
あまりヤンデレ要素は無かったかもしれない。
私のような乙女(笑)には少し刺激の強い
●大体のあらすじ。
サドの春琴には音楽の才があり、幼い頃から使用人である佐助に対して三味線の手引きを行っていた。
彼女の手引きはとても厳しく、容赦なく罵声を浴びせかけ時には手をあげることもあった。しかし、当の佐助はそれを不服に思うどころかむしろ喜んでいた。
春琴は16歳の時に妊娠する。両親に誰が父親かと問い詰められるが春琴は答えない。一番疑わしい存在である佐助も知らぬ存ぜぬを通す。
そして生まれたのはやはり、佐助によく似た子供。
春琴は子供に興味を持つどころか邪険に扱い里子に出す。そして自分は生涯独身を貫くことを両親に伝えた。
大人になった春琴は佐助を助手とし、三味線教室を開き独立する。
彼女の教育は相変わらずの厳しさで、恨まれる事が多く敵が多かった。
ある時春琴は、自分の美貌に惹かれて弟子入りしてきた利太郎というドラ息子の額を三味線のバチで割ってしまう。
それを恨んだ利太郎は、夜中に春琴の部屋に忍び込んで彼女の寝顔に熱湯を浴びせかけた。
焼け爛れた顔を包帯をグルグルに巻かれ、こんな面でどうしたらいいのかと思わず佐助の前で泣いてしまう春琴。
それから春琴は「こんな醜くなった顔を見せたくない」と佐助を遠ざける。
そこで佐助は自らの目に針を刺して自分も盲目の世界に入り込む。
それから二人はお互いに心を許し、2人で生きていくのであった。
結構はしょってます。
もしかしたら勘違いしてるところもあるかもしれません。
● 感想
春琴も佐助もお互いのこと相当好きなんだなぁと思いました。
いや、ただ色々な相性が良かっただけかもですがww
目を潰す描写が生々しくて読んでて目の奥が痛かったです。
んでこの目を潰した理由が「お師匠様(春琴)の美貌を忘れないため」。これが「お師匠様に会いたいから」だったら萌えたのに。
でも春琴は自分の美貌に絶対の自信と並々ならぬ執着があって、佐助はもちろんそれをよぉく知ってるし、彼は彼女の美貌(と、サドな部分)に惹かれているんですよね。
だからただ単に「会いたいから」というより「美貌を忘れないため」といった方が春琴に仕える忠実な下部として、なにより佐助という人物にはずっと相応しい理由だと思いました。
あとなんだかんだで佐助はMじゃないだろう?w
Mの立場からSを支配したい歪んだSなのだろう!?!?
以下、春琴抄を読もうかなと考えてる人へ
①M男好きなS女なら買って損はない。多分
②ヤンデレを期待するとわりとがっかりする。
③特殊な文体なので非常に読みづらい。でも慣れる
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次は同じくヤンデレとか言われてる江戸川乱歩の「人間椅子」とか「芋虫」に手を出してみようと思う。
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