まずこのCDは属性詐欺です。
ぐいぐい引っ張る俺様？ とんでもない、むしろ妹に振り回されっぱなしの優しくも大人なお兄ちゃんです。

仕事が忙しい両親は、普段から寂しい思いをさせている幼い娘にあるプレゼントを贈る事から話は始まります。
そのプレゼントとはガイという兄。
一緒にケーキ食ったり遊園地に出かけたりして、徐々に仲良くなっていく２人。
そして、一年後の誕生日。
去年と同じく、両親は仕事が忙しくて誕生日パーティーには出席できないという電話がかかってくる。
ショックのあまり思わず外に駆け出してしまう主人公。それを迎えに来たガイに、主人公は親に対する不満を吐露します。
そこで自分が作られた理由を語るガイ。
ガイは、BB社(ブラザーアンドロイドを作っているところ)に勤める両親が、寂しい思いをしている主人公のために作ったアンドロイドなのでした。
そして最後に、主人公と「ずっと一緒に誕生日を祝う」という約束をします。
いいお兄ちゃんや。


んで、５トラック目から話は10年後に飛びます。(ここからがメイン！)

“ブラザー”とか言ってるけど、「ハタからみたらバカップルにしか見えないだろうこの２人」ってくらいラブラブです。
膝枕したり、一緒の布団で寝たり、バレンタインにマフィンをアーンしあったり。

あれ？ なんかデジャヴ(笑)

そのままリュウの二の舞さっちゃんになるかと思いきや、ガイは「このままじゃ妹を不幸にする」と自ら距離を置き始めます。
「男友達に告白された」と相談する主人公を「答えは自分で考えて決めなさい」と、ちょっとだけ突き放すガイ。
始めて拒絶され、主人公はショックを受けてしまう。
たまらなくなった主人公はガイに対する恋心を告白する。けど、それも拒絶されてしまいます。
ガイも妹の事が好き(もちろん恋愛的な意味)で、主人公に冷たくするのは辛くて、寝ている主人公にその事を詫びます。
しかし実は主人公は寝てなんかいなくて、ガイを問い詰めます。
ガイはわざと冷たくしたことを認めた上で「俺はアンドロイドだからお前の気持ちは受け止められない」とキッパリ言い放ちます。
ここら辺が切なくてたまらないです。

どんなに冷たくされても、主人公はそれでもガイが好きだと気持ちを押し通します。
ここでガイは根負けして「お前が考えて決めたことなら」と一旦は妹の気持ちを受け入れます。
けど、やっぱり心の中では自分以外の人と結ばれることを願ってるぽいですね。
尼レビューに「リュウは与える愛でガイは見守る愛だ」とありましたが、まさにそんな感じです。


今更ながら思ったけどもしかして全員、身を引くエンドなの？
アンドロイドという特性上仕方ないと思いますが……。
結ばれないところに萌えるんだけど、こう立て続けにくるとあまりに切ないじゃないの。